1.選び抜かれた素材
一枚板をセリ市によって購入しています。
長年の経験により、板の形状、木目(杢)、厚み、色目、割れやすい木か、反りやすい木か、いろんなことを考え気に入った板を購入します。日本の木から外国の木までいろんな木を。
2.長い期間の乾燥
セリ市で購入した生木は最低でも6年以上自然乾燥させます。普通15mm程の厚みの板を自然乾燥させるのに1年かかるといわれます。60mmの厚さなら4年ということになりますが、保管場所の条件によって差が出てきますので当店では6年以上自然乾燥させた板を加工します。当然のことですが6年を経ても含水率の高い板は加工しません。(一部、人工乾燥機にかけたものは除きます)
この長い乾燥期間に板は大きく反ったり、ねじれたり、割れたり、虫に食われたりされ、落ち着いてきます。そうしてやっと加工されるのです。
3.多くを造り続けてきた手仕事と技
一枚板の加工は、まず両面を水平に仕上げます。次に丁寧に表面・側面の研磨をし、大きな割れがある時は「チギリ」を入れ、これ以上の割れを防止します。小さな割れ、穴などは、埋めの作業をします。
そして念のため、裏面に反り止めを入れる一枚板も多くあります。長年乾燥期間を経ても、ご自宅の置かれる環境により反りやねじれが発生するものです。それを少しでも抑える為、「寄せアリ吸いつき桟」という反り止め加工をします。この加工は、板の耳の部分(側面)に切りこみ加工の跡が見えません。耳の部分がきれいなんです。
高価な一枚板の美観を損なわない為に、そして経年変化による反り、ねじれを最小限に食い止める為に入れます。テーブルとして設置した時、この反り止めはほとんど目立ちませんのでご心配なさらぬように。
4.二種類の塗装
お客様ご自身によるメンテナンスが簡単に出来るオイル塗装(プラネットカラーという自然塗料を使用しています)または、水ジミが付きにくい木の表面をウレタン(化学物質)で完全に覆ってしまうウレタン塗装のどちらかを施して完成です。
オイル塗装は木の呼吸(室内の湿気を吸収したり放出したりするという意味です)を妨げず、自然の風合いに仕上がります。ウレタン塗装は呼吸を完全に止めます。表面は少し光っていて膜が張った感じになります。どちらも一長一短ありますが、一枚板テーブルにはオイル仕上げの方がいいと思います。その最大の理由は、メンテナンスが簡単に出来るということです。ウレタン塗装でも長年使っていると水ジミが付きますし、擦り傷も目立ってきます。自分でメンテナンス出来ないので加工に出すとウレタンを完全に削り取るので板が薄くなります。また、高い加工費が掛かります。
5.テーブル脚の製作
当店のテーブル用の脚に関しては、一枚板の幅が異なる為、その板の幅に合わせた脚にします。つまり左右の脚の幅が異なる場合もあります。外観上カッコよく、また、天板の安定性を考慮し制作していきます。また、お客様のご要望に合わせ床から天板までの高さを決定します。通常、天板上面までの高さは700㎜くらいです。